Message for Prospective Students
工学は実践的な学問分野であり,土木工学は人間の営みに直接関わる実践的な学問分野の一つです.社会の現状を
直視し人間の営みに関わる問題解決に取り組むのは,土木工学系の研究者としてとってもモチベーションが上がる
挑戦ですし,その解決に向かうプロセスには研究の面白さを感じています.それで,「工学的問題点(ニーズ)の
把握,正しい理論の成立,理論の検証,実問題へ適用,問題点を明らかにした理論の改良」といった当り前の研究
サイクルを守って研究に取り組むようにしています.研究室の学生にも,工学問題解決のための研究サイクルの
重要性を強調するとともに,その過程で経験できる研究の面白さも共有できるようにしています.
研究としては,構造物の振動現象と社会基盤施設のヘルスモニタリングに関わる研究を行っています.橋梁などの
社会資本はこれまで量的整備を急ぎ,機能と経済性を重視して建設されてきました.しかし橋梁の老朽化も進んで
おり,現存する社会資本の効果的な維持管理が極めて重要となっています.維持管理を適切に行うためには構造物
の健全性把握が必要になるが,大量の橋梁ストックのモニタリングは財政的にも難しい状況であります.本研究室
では橋梁交通振動非定常不規則振動データをも利用できる振動ヘルスモニタリングについて研究を進めています.